こんな悩み、ありませんか?
「何から学べばいいかわからない」
「うまく覚えられない」
「覚えたことを使う機会がない」
“記憶できたかどうか”というのは、私たちの目には見えません。
すべての記憶は「脳」が管理しており、神経系のやりとりを自分自身でチェックすることは不可能です。
これが原因で、記憶する方法として”効果的か?”よりも「カンタン、おもしろい」という手法が優先されがち。
こうして、学習や記憶に関する“神話”が生まれていきます。
実は、長年の脳科学研究により、記憶しやすい方法はすでに明らかになっています。
データとして出た結果から効果のある方法を、独学にカスタマイズして取り組んでいくと良いでしょう。
この記事では、脳科学に基づいた事実や私の実体験から「独学知識をモノにする成功記憶術」を解説していきます。
どうぞ、ごゆっくりご覧ください。
読書でインプットするコツ
効率の良い記憶術は、“インプット(情報収集)”の段階から始まっています。
正しい知識を得る
最初に「正しい知識」を得ておかないと、後で困ることに。
特に、個人が自由に発信できる「SNS」には注意が必要です。
前提条件や個々の状況によっては”誤り”になってしまうような情報で埋め尽くされ、もはやカオス状態。
情報収集には不向きです。
正しい知識を得るには「書籍」を活用しましょう。
こちらは、著者だけでなく編集や校正、デザイン、印刷など、多くの工程で様々な人が関わってつくられています。
文章ごとに「これは正しいか?」が精査されており、信頼度の高い情報源だと言えます。
読書術を活用する
また、独学時の読書には“適した方法”があります。
やみくもに読みたい本を読みあさるのも悪くありませんが、選書のコツがわからないと「何から学べばいいかわからない」と立ち止まってしまうことにもなりかねません。
独学読書の効率的な方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
得た情報を整理する
記憶定着においては、こうして得た正しい情報をまず「自分なりに整理すること」がとても重要。
これをしておかないと「何を学んでいけばいいかわからない」という挫折の要因が生まれます。
おすすめなのは、収集したキーワードや文章を小見出しの中にまとめたり、ツリー状にして並べたりする方法。
こうしておくと、後で思い出す時に便利なんです。
一つのキーワードを思い出すだけで、そこから辿って他のキーワードを思い出せたり、かたまりごと引き出せたりするのです。
記憶定着につながるアウトプット術
整理した情報は、記憶定着しやすい方法で”アウトプット(外へ出力)”していきましょう。
ストーリーを”経験”する
ここで大切なことは、私たち(の脳)が最も記憶に残しやすい形にパッケージングすること。
「ストーリー」とは、物事の一連の流れを言います。
昔話や言い伝え、現代のドラマや映画、アニメ、小説、演劇、そして宗教(聖書)までもが、このストーリーという概念を取り入れています。
ストーリーは人を魅了するし、記憶に残りやすいんですよね。
これを独学に利用しない手はありません。
「キーワード単体」で覚えていくのではなく、そのキーワードを絡めた「一連の流れ」をつくりましょう。
例えば、以下のようなものは効果的です。
これらを「イメージ(映像)」として思い浮かべることで、より強い記憶の”元”になっていきます。
自分なりの語呂合わせストーリーをつくる
数字やアルファベットなら、よく“語呂合わせ”で覚えるものがありますよね。
「水兵リーベぼくの船…」は、元素周期表の序盤を語呂合わせしたもの。
少し無理やり感はあるものの、完全にストーリーとして出来上がっています。
とある水兵とその船のお話が記憶しやすいおかげで「H He Li Be B C N O F Ne…」にたどり着けるわけです。
あなたが覚えようとしているものを自分なりに語呂合わせできるのなら、ぜひ創作してみてください。
自分でやってみたストーリー
「やってみる」というのは、覚えようとしていることが“実践可能”なことを実際におこなう、ということ。
パンを自宅で作る手順をそのまま覚えようとするより、実際にパンをつくってみた方が記憶に残りやすいです。
これも、実際におこなうと「材料の準備→つくる→できあがり→食べる」という一連の流れ、つまりストーリーが生まれます。
また、触覚を始め嗅覚・聴覚・味覚といった視覚以外の感覚器官も同時に使うので、より記憶に残りやすくなります。
誰かに教えようと苦労したストーリー
「教える」というのは、かなり効果の高い記憶定着の方法。
自分だけが知っていて相手が知らないことを、相手が正しく理解できるように伝えるという行為。
これには、知識をわかりやすく脳内整理したり、伝える順番を考えたり、といった高度な技術が求められます。
より多くのことを思考する分、記憶に関わる神経が刺激されて太くなり、忘れにくくなります。
また、これも一連の流れ(ストーリー)を生み出していますね。
ちなみに、必ずしも「他者」に教える必要はありません。
「知らなかった自分」を思い出して、過去の自分に教える”想像”をすればOK。
寝る前に、目を閉じながらできます。
期間をあけて思い出す
記憶定着において、脳科学的に効果が高いとされている「期間をあけて思い出す」という行為。
ストーリーという形で、実体験や脳内イメージで経験したことを、時間の経過ごとに思い出すようにしてください。
まずは、当日の寝る前に一度思い出します。
そして翌朝、3日後、1週間後…と、少しずつ間隔をあけて思い出しましょう。
記憶がしっかり定着していれば、1ヶ月後でもそれ以降でも同じように思い出せるはず。
これを怠ると、せっかく覚えたものも短期記憶に留まってしまい、時間が経つごとに意識して思い出しにくくなります。
独学時の失敗でよくある「覚えられない」「学んだことが思い出せない」ということにもなりかねません。
とは言っても、ストーリーは無意識の層に残っていることが多いです。
趣味レベルの独学や”ひらめき材料”程度に考えているなら、問題はありません。
覚えたいことは”反復”する
独学したことをなんとしてもモノにしたい場合は、加えて「反復する」ということが重要。
記憶は、脳内の神経同士の”つながり”の部分に保存されています。
その記憶を使わなければ、神経は細くなったり切れたりし、そこに保存されている情報を思い出すのが難しくなります。
逆に、何度も反復して使えば、脳は「この情報は重要」と判断し、神経を太くして忘れにくくしてくれます。
期間をあけて思い出す工程を1ヶ月以降も定期的に続けていくには、”習慣”のレベルで実践していくこと。
これを怠ると、せっかく独学して身につけた(気になっていた)ことが思うように使えず「役に立たなかった」「意味なかった」となってしまいます。
独学することで「どの程度の修得レベルに達したいか?」をよく考え、やるべきこととやらないことを判断していきましょう。
学習における”神話”とは?
世の中の勉強法には、記憶定着の効果があまり高くないのに多用されている”神話”が存在します。
徹夜・一夜漬け
例えば、よく聞く「徹夜して勉強」「一夜漬け」は、ほんの短い時間なら覚えていられるかもしれません。
ですが、長期的に見ると記憶に残りづらく、単発ではほぼ無意味。
そこから継続して記憶定着の努力をしていかないと、ムダに終わります。
そもそも「寝る」という行為は、神経レベルでの記憶整理に大いに役立ちます。
そのため、覚えたいことがあるなら”寝ない”という選択肢はありえません。
大事な部分に線引き・ふせん貼り
そして、読書中に大事なところを見つけたら「線を引く」「ふせんを貼る」というもの。
これは、ただ“目印をつけている”だけ。
あとで大事な部分を見つけやすくするのは良いですが、それだけでは覚えられません。
これまでお伝えしてきたような記憶定着の工夫が必要です。
ノートにまとめる
最後に「ノートにまとめる」という行為。
情報をノートに綺麗にまとめられると、なんだか嬉しいですよね。
見ているだけでも壮観で、気持ち良いものです。
これは、“情報整理”には役立ちます。
ですが、ノートにまとめること自体が記憶定着につながるか?と聞かれれば、微妙。
書いたノートを「ただ見返す」というのも、それほど効果は高くありません。
ノート内の「赤文字を赤透明のカードで隠して思い出す」といったことも必要でしょう。
総じて、脳に負担がなくラクなやり方ほど、記憶定着の効果は薄いです。
「できる人に聞く」というのも、ノートにまとめるのと同じく”情報整理”には役立ちますが、記憶定着とはまた別のお話。
「書籍の音読」は聴覚への刺激があるものの、後で情報を整理しないと効果は低いです。
覚えたいものがあるなら、あなたの脳を、頭を、積極的に使っていきましょう。
記憶定着は一日にして成らず
さて、この記事では「独学知識をモノにする成功記憶術」をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
まとめると、以下です。
- 効率の良い記憶術は、”インプット”から始まっている
- 記憶しやすい形にして、反復して思い出すといい
- 脳に負担がないやり方ほど、記憶定着の効果は薄い
あなたが到達したい独学レベルは、どの程度でしょうか?
「0から学んで日常的に自在に使える」までいきたい場合は、それなりに時間が必要。
あなたが今後なりたい自分の姿へ近づいていけるよう、読書術や記憶定着のコツなどをぜひ活用してみてください。
それでは、良い独学ライフを。